2012年3月26日月曜日

やはり大事なのは創意工夫

20年以上お世話になっている会社のお手伝いで、バレエの現場に呼んでいただきました。 ここの会社の方々には大変お世話になっていて、私の照明技術はこちらの会社で教わったと言っても過言ではありません。
現地仕事や局仕事、劇場の管理業務や自社制作のイベント、創作現場など幅広く手掛けられている会社で社員の方々もとても良い人ばかりです! 
今回の担当デザイナーさんは、演劇やバレエを得意とする方で作品への思い入れやこだわりは、業務を超えた領域まで踏み込める職人さんです。
毎回呼んでいただいて、その照明技法に驚かされたり、刺激されたり多くを学ばせていただいています。

そして今回も有りました!
照明機材でオーロラマシンと言う機材が有ります。
ドラムマシンとも呼ぶのですが、直径30cm、長さ50cmぐらいの円柱状の筒に2cmくらいの複数のスリットが切り込んであって、それが光源の周りを回転 することでスリット状の光がグルグル回るといったとてもアナログな照明機材です。
この機材オーロラマシンと命名されているのが災いし、名前からは到底似つかないオーロラのイメージにダメな機材として位置づけされています。(個人的主観)
 今回この機材の使用が抜擢された問題のシーンが電車が走り去るシーンです。
ホリゾント幕に対して直角にセッティングされたこのオーロラマシンは、なんと無情に走り去る電車の窓明かりの切なさを見事に表現していました!
作品が現代版シンデレラで、かぼちゃの馬車ではなく、最終電車という設定もユニークだったのですが、あまりにハマり過ぎたそこのシーンの演出に鳥肌が立ちました。
子供向けの幼稚な演出にしか使えないと思っていたあのオーロラマシンがとても素晴らしい機材に見えた瞬間でした。 

大事なのは、やはり創意工夫だと言う事に言及します。
どの仕事でも大事なことでしょう。
生きて行くのに大事なことでしょう。
そんな大事なことを再認識させていただいたとても素晴らしい現場でした。  

teraoka