2016年4月5日火曜日

吊物操作盤


昨年現場で訪れたメキシコのビセンテナリオ劇場と、この度オープンした新呉市民会館の操作盤に舞台機構操作盤の現状を見ました。
エンベデッドのWindowsOSで動作している舞台機構のコントローラーは様々な設定ができるようです。
お話を伺うと複数の美術バトンに対して波打つような連続的な動きも与えることができるそうで、設定値から設定値までを指定した時間で動くのは当然で、さらに継続的な動き、時間経過もプログラム出来るということなのでしょう。
なかなかその機能が必要な催事は無いと思いますが、そこまで考えるのが開発側の姿勢でしょうし、実際その機能が必要な上演物を行う劇場や施設に採用されるのだと思います。
今まで不可能であったユニークな演出は制作側、開発側どちらが先と言うわけでもなく極めれば当然必要になり誕生する背景がわかります。
吊物設備の電動化は、まずは安全面での展開が最優先だったと思います。
手動の美術バトン、照明サスペンションバトンなど、操作方法のミスで重大事件に発展する可能性があり、実際私もヒヤッとする経験は何度かあります。
照明さんも、道具さんも新人さんや非力なスタッフにはなかなか任せられない作業で、ベテランのスタッフが行っている風景を見ることがあります。
ただし手動の劇場、施設も減ってきているのが現実です。

音響、照明、映像もそうですが、やはり全てのジャンルにおいて過去のモノ、新しいモノが存在し、両方を理解し吸収して使いこなす者が進化をし、新たなカタチを生み出すのでしょう。